アフリカの道路工事や道路事情~ルワンダ道路工事現場から~

今回のLDB建設業コラムはアフリカの道路工事・道路事情についてお送りします。皆さんアフリカの道路工事・道路事情についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。遠い大陸であまりイメージが浮かばない方も多いと思います。今回はルワンダの道路工事を例にアフリカの道路工事の様子・道路事情をお伝えしていきます。

筆者は2018年に研究(道路研究ではないですが)のためルワンダで2回の中期間滞在を経験。2回とも同じホテルを拠点としていたのですが、ちょうど目の前の道路が大規模工事中でした。毎日、道路工事現場の様子を眺めながら研究・調査に向かう日々を送っており、その時の経験から本記事を執筆しております。

当時の様子をたくさん写真に収めてありますので、まずはルワンダがどのような国なのか触れた後、多数の写真でアフリカの道路工事の様子や道路事情を見ていきます。

整備されたインフラ!成長著しいアフリカの小国ルワンダ

ルワンダはアフリカの地域区分でいうと東アフリカに属しますが、位置的にはアフリカ大陸のほぼ中央にあります。国土面積が四国の1.4倍ほどしかなく、人口が1200万人程の小国です。隣国のウガンダ、タンザニア、アンゴラなどに囲まれた内陸国であることも特徴です。

皆さんも一度は聞いたことがある国だと思います。1994年にルワンダ大虐殺(ジェノサイド)があり、世界的に大きなニュースとなりましたので、その影響で知っている方も多いのではないでしょうか

悲しい過去を持つルワンダですが、現在とても成長著しい国です。2000年から急激なスピードで経済成長を遂げています。2010年以降も年平均7%前後の経済成長率をマークし、経済発展真っ只中といった状況です。[出典1]

整備された国家、順調な経済成長が評価され、投資環境を評価する世界銀行のDoing Business 2019ではアフリカ第二位の投資環境として(世界29位/191か国中)評価を受けています。[出典2]

実際に首都を歩いてみると街並みが本当にきれいに整備されている印象です。現地で出会ったアフリカ経験が豊富な方は「首都に限るとルワンダはアフリカっぽくない」とおっしゃっていました。ただこのきれいに整備された街並みも首都だからこそです。地方にも足を運びましたがまだまだ開発の余地が残されている現状でした。(後述)

建設ラッシュのルワンダ!道路工事や建設現場がたくさん

そんな成長著しいルワンダですが現在、建設ラッシュです。経済成長に伴い大規模なインフラ整備、オフィスビルの建設などが行われています。街を歩けば、道路工事がすごく目立ちました。そんな道路工事の現場によくあるのが、漢字が書かれた青色のフェンス(上写真)。CRBC 中国路桥と表記がありますが、これは中国の国有企業である中国道路橋梁公社の看板です。

この看板を私はルワンダに滞在した合計4か月余りほとんど毎日、目にしました。それくらいCRBCによるルワンダでの道路工事が多いのです。ルワンダの多くの道路は中国企業が関係しています。アメリカのメディアCNNのレポートによれば、ルワンダの約70%道路は中国の会社によって建設されているようです。[出典3]

アフリカ大陸に中国資本がすごい勢いで入ってきているとよくニュースで見ますが、ルワンダも例外でなく肌で実感したかたちです。

アフリカの小国ルワンダの道路工事現場の様子

そんなCRBCの青いフェンスの先にある道路工事の現場ですが、アフリカ特有の雰囲気を感じました。まず、アフリカの土は主に鉄分を多く含んだ赤土ですので、写真からも分かるように景色の色味がまず日本の道路工事現場とは違います。アフリカではよく急なスコールがありますが、雨が降った際にこの赤土が服についてくるとなかなか汚れとして目立ちます。また、レンガがよく使われているのが日本と大きく違うところでしょうか。上写真の左側のように道路を二段階にするためにレンガを使用している光景をよく目にしました。

現場で作業をしている方は上写真のように現地のアフリカの方です。私は毎日、研究拠点の目の前の道路工事現場を通っていたので、職人さんとも仲良くなりました。すごくフレンドリーでよく話しかけてくれます。一方、職人さんとは別に、本現場の現場監督は中国の方でした。私のことを中国人だと思い最初話しかけてきたのですぐに分かった次第です。現場を通ると現場監督の方がアフリカの職人さんによく中国語で指示を出している光景に驚きます。現在、アフリカでは中国語を理解できる人がリーダーを任され早く出世するシステムなのかと想像していました。

作業工程ですが、機械などあまり使わず、結構手作業が多いなと毎日感じていました。上写真の人々はほんの一部で、300mくらいの区画に毎日、上写真の4倍ほどの人数が現場で作業をしています。重機が入っているところにはあまりお目にかかれず、左右に転がっている瓦礫も手作業での処理が目立っていました。

この道路工事現場ですが、5か月後に訪れた際の様子が、上の写真です。最初のがれきばかりの状態から比べて、とてもきれいに整備されているのが分かると思います。このきれいな道路ですが首都のシンボルになりつつあるキガリシティタワーから3km以上伸びており大規模に整備されています。ちょうど完成間近に大統領選があり、現職大統領のアピールのために急ピッチで工事が進んだという噂もありました。

アフリカの小国、ルワンダの道路事情は?

ルワンダの首都、キガリの道路事情はすごくいいです。写真のようにコンクリートできれいに整備された道路も多くあり、ルワンダでの主要移動手段であるバイクタクシー「モト」がたくさん走っています。夕方になると少し渋滞気味になるくらいにぎわっています。

 

また首都キガリには西洋風のきれいなレンガ道路も上写真のように所々に存在しました。写真の現場は首都の中でも裕福な人々が住む地域として知られる場所であり、きれいに整備されていた印象です。

しかし、少し首都を外れると整備されていない道路は数多く存在します。主要道路はかろうじてコンクリートで整備されていたりしますが、亀裂が走っている道路も多い印象でした。また地方の道路は上写真のように、スコールの際は泥水で埋まってしまうような道路もまだまだたくさんあります。

道路事情に課題を抱えるアフリカだからこそ発達するプロジェクト!

ルワンダはアフリカの中でも千の丘の国と呼ばれるほど土地の勾配が激しい国です。道路整備が地方まで行き届かないのもこうした要因が一つの原因になっています。雨が降った日には、整備されていない道路を通過するのに苦労を要します。

Zipline社公式Youtubeチャンネルより

そんなルワンダでは世界初の医療用ドローン空港が運用されています。アメリカのベンチャー企業「Zipline」が運営しており、ルワンダ政府や世界銀行などが関わっているルワンダ国家肝いりプロジェクトです。従来から、ルワンダの医療従事者は整備されていない道路を通って輸血やワクチンを運ぶのに大変苦労していました。輸送中に輸血がだめになったこともあります。しかし現在ルワンダではドローンが輸血やワクチンを届けます。届けるまで最悪の場合、4時間かかっていたところが15分に短縮できる画期的なプロジェクトです。

2017年からパイロットプロジェクトとして始まり、現在はルワンダの医療用主要インフラになっています。私が2018年に訪問した際も、40分の滞在中、ドローンの離陸が3回も行われていました。本プロジェクトは成功をおさめ、同じアフリカのガーナでも現在同じ医療用ドローン空港が運用を開始しています。

以上、アフリカの小国ルワンダの道路事情でした。筆者の実体験をもとに本記事を執筆いたしました。ご参考になれば幸いです。

【参考文献】

出典1:外務省ホームページ、ルワンダ共和国
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/rwanda/index.html

出典2:The World Bank Group, 2018, Doing Business 2019
https://www.doingbusiness.org/en/reports/global-reports/doing-business-2019

出典3:CNN. 2018. Rwanda hosts Chinese President Xi Jinping and Indian PM Narendra Modi.
https://edition.cnn.com/2018/07/23/africa/xi-jinping-paul-kagame-rwanda-intl/index.html