建退共への加入による経審(経営事項審査)の評点アップについて

「建退共への加入」で経審の評点があがることはご存じでしょうか。建退共(建設業退職金共済)とは、建設業界の技能技術者(大工、鳶などの職人)の方々の退職金制度です。建退共に加入し必要な手続きを行っている場合、W点が15点アップします。
このコラムでは、以下の内容をお伝えします。

・建退共への加入による経審(経営事項審査)の評点アップの仕組み
・建退共(建設業退職金共済組合)とは
・建退共加入のメリットとデメリット

経審の点数UPのために建退共への加入を考えている中小建設会社の経営者/事務員の皆様や、建設業許可や経営事項審査について勉強をはじめたい行政書士のみなさまの参考になれば幸いです!

建退共への加入による経審(経営事項審査)の評点アップの仕組み

経審で、社会貢献度合いを測るW点の9項目の中に、「労働福祉点数」(W1)という項目があります。労働福祉点数はさらに以下の項目に分かれています。(2021年7月現在)

↓W点UPの方法は他にもご紹介しておりますので、こちらもご参考ください!

防災協定の締結による経営事項審査(経審)の評点アップについて

労働福祉点数の詳細 未加入 加入
雇用保険 -40点 0点
健康保険 -40点 0点
厚生年金保険 -40点 0点
建設業退職金共済制度 0点 15点
退職一時金制度もしくは企業年金制度 0点 15点
法定外労働災害補償制度 0点 15点

 

今回ご説明するのは表の中の「建設業退職金共済制度」です。加入して必要な手続きを行っている場合、W点が15点(P点換算だと21点)アップします。ちなみに、健康保険や厚生年金、雇用保険に未加入の場合はペナルティが大きいのでご注意ください。

建退共とは

建退共とは、建設業退職金共済制度のことで、様々な建設会社や現場で働くことが多い職人も安心して退職金を受け取れる制度です。東京オリンピックの年である1964年から開始されています。

建退共に加入している建設会社で働く労働者は、現場に出た日数一日につき一律310円分の証紙(切手のようなもの)を各労働者が持つ共済手帳に貼ってもらえます。250日分たまると勤務先の建設会社を通じて、共済手帳の交換をします。労働者は別の建設会社で働くことになった場合も、その会社が建退共に加入していれば、引き続き同じ手帳に証紙を貼ってもらえます。労働者は建設業界からの引退を決めた際に、労働者自身で建退共に申請をすることで、退職金を受け取れます。

2021年7月1日現在、証紙は1日につき一律310円分です。労働者からみて、月20日ちょっと働いたとすると、月額約6,000~7,000円を積み立ててもらっている計算になります。また、建退共の運営を行っている建設業退職金共済事業本部では、集めたお金を運用しています。現在の運用利率では、40年働いたケースで、600万円程度の退職金が払われることになっています。

建退共加入のメリットとデメリット

建退共の加入メリットは以下です。

・労働者の定着
労働者が定着しやすくなります。人材不足の昨今では、有能な労働者の定着率を高めることは、質の高い工事を行う上で重要です。

・経審の評点UP
経営事項審査のW点が15点、P点換算で21点加算されます。ちなみに、同じく中小建設業が加入することが多い、中退共(中小企業退職金共済)にも加入している場合は、経審にはダブルで加点されます。(中退共の加入でW点が15点、合計30点加点。労働者は両方に加入することはできず、どちらかを選ぶことになるので、ご注意ください)

建退共に加入するデメリットは以下です。

・人件費コスト増
労働者一人当たり1日310円のコスト増となります。一日で見ると大した額ではないようにも見えますが、労働者を20名雇用している場合、310円×20人×250日=年間約150万円程度の負担増になります。ただし、公共工事にかかわる場合、元請けでも下請けでも建退共の費用は、国や地方自治体が負担する仕組みになっています。ですので、公共工事に関わることが多い土木などの工種では、建退共の加入率が高くなっています。一方、民間工事でも、大手ゼネコンを中心に元請けが現場労働者の建退共の費用を負担する流れが広がってきています。

建退共に加入している建設会社の現場に掲示されている看板
(建退共に加入している建設会社の現場に掲示される看板)

・事務工数の増大
各種手続きには事務工数がかかります。加入申請や証紙の購入、貼付作業、貼付状況の管理などです。また、経審でW点15点の加点のためには、履行証明書の作成および、証紙の購入、貼付が適切に行われていることが必要です。
建退共は今後電子対応を進める予定であることが示されています。DX化が進めば、建退共の仕組みも、建設会社、労働者双方にとって、より利便性の高い仕組みになると考えられます。また、国土交通省では、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携も議論が進められています。建設現場に入場するだけで、自動的に建退共の管理も行われることになるかもしれません。

建退共に加入している建設会社が経審の申請のために作成する履行証明書

※建設業退職金共済事業本部HPより

(建退共に加入している建設会社が経審(経営事項審査)のために作成する履行証明書)

経審の評点アップの方法はさまざま

以上が、建退共への加入による経営事項審査(経審)の評点アップについてでした。いかがでしたでしょうか。

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