建設テック専門のVC(ベンチャーキャピタル)、Brick & Mortar Venturesとは?どんなところに出資しているの?

日本でも市場が活性化して話題になってきた建設テック(※コンテックとの言い方もある)。市場規模が大きい建設業界だけあり、VC(ベンチャーキャピタル)や投資ファンドから多くの注目を集めています。

アメリカでは建設テック専門のVCなるものが存在します。今回ご紹介するBrick & Mortar Venturesもその一例です。Brick & Mortar Venturesとはどういった企業で、どのような技術・ベンチャー企業に投資をしているのか見ていきたいと思います。

建設テック専門のVC、Brick & Mortar Venturesとは

Brick & Mortar Ventures のホームページより(https://brickmortar.vc/

2019年8月、米シリコンバレーのBrick & Mortar Venturesは建設テックのスタートアップやベンチャー企業に投資するために9,700万ドル(100億円以上)規模の新たなファンドを立ち上げました。このファンドには日本からは大林組、その他アメリカを中心に建設業界のメインプレイヤーの多くが出資をしています。

Brick & Mortar Venturesは2018年1月に正式に設立され、建設テックを中心に投資をしていきましたが、さらに有望な建設テックのスタートアップに投資を拡大するため、去年新たなファンドを立ち上げた形です。

CEOのDarren Bechtel氏はBrick & Mortar Venturesを正式に立ち上げる前から建設テックへの投資に個人的に関わってきた人物です。個人時代の投資から合わせて、Brick & Mortar Venturesは設立間もないにもかかわらず、すでに5つのExit(上場や売却)実績を出しています。

VC業界では珍しく建設テックに特化しており、投機対象が少ないにもかかわらず、多くのExit実績を出していることから注目を集めているVCです。

建設テック専門のVC、Brick & Mortar Venturesはどんな会社をExitさせてきたの?

現在、Brick & Mortar Venturesのホームページ上で確認出るExit実績は5つとなっています。どういった企業がExitしたのでしょうか。いくつかピックアップして見ていきましょう。

建設テック専門VC、Brick & Mortar VenturesのExit実績1:「PlanGrid」

「PlanGrid」のホームページより(https://www.plangrid.com/

まず、施工管理アプリを展開するアメリカの「PlanGrid」という会社です。
「PlanGrid」はクラウド上で建設現場の写真や施工に必要な図面が簡単に管理できるサービスです。その他外部リンクの共有やタスク管理、2Dや3Dモデルの管理なども機能としてついています。
日本で展開されている施工管理アプリの「Photoruction」や「ANDPAD」などと、とても似ているサービスといえるでしょう。2018年11月にアメリカのAutodesk 8億7,500万ドルで売却されExitとなりました。

建設テック専門VC、Brick & Mortar VenturesのExit実績2:「CONCRETE SENSORS」

CONCRETE SENSORSのホームページより(https://concretesensors.com/

二つ目は2013年にマサチューセッツ州に設立された「CONCRETE SENSORS」という会社です。会社名から想像できますように、施工・舗装などでコンクリートの管理で重要な温度・湿気・強度などをセンサーで自動的に測定してくれる機器を開発・販売している会社です。

従来コンクリートのこうした情報を得る際は、有線を埋め込んだり、コンクリートをわざわざ取り出す必要がありました。しかし「CONCRETE SENSORS」の商品はワイヤレスの機器であり、コンクリートを流し込む前の鉄筋に括り付けるだけで、必要な情報が自動的に収集される仕組みです。

建設テック専門のVC、Brick & Mortar Venturesは現在どういった会社に投資しているの?

現在、建設テック専門のVC、Brick & Mortar Venturesのホームページ上で確認できる投資先は16件です。今回はいくつかピックアップして投資先を紹介していきます。

建設テック専門VC、Brick & Mortar Venturesの投資先1:「Serious Labs」

Serious Labsのホームページより(https://seriouslabs.com/products/mewp-vr-simulator/

一つ目はカナダの「Serious Labs」という会社です。

この会社はVR技術を使い、建機の訓練用シュミレータを開発している会社です。VR上で完全に建設現場を再現し、クレーンやフォークリフトなど操作を学ぶ環境を作っています。

建設現場の人材育成や安全性の向上に資する建設テックとして注目を集め、建機のレンタル会社大手との契約締結を実現しており、Brick & Mortar Venturesからは2017年に出資を受けています。

建設テック専門VC、Brick & Mortar Venturesの投資先2:「Alice technologies」

Alice technologiesのホームページより(https://www.alicetechnologies.com/product

二つ目は「Alice technologies」という会社です。

こちらはAIを使った、建設現場のマネジメントツールです。もう少し具体的に表現をするとAIが自動的に建設プロジェクトの「レシピ」を生成してくれる建設テックです。

簡単な作業内容をAlice technologiesのサービスに入力。すると自動的にAIが最適な人員配置・コスト・スケジュールを数分で複数作成してくれます。担当者は提示された複数の案から良いと思った「レシピ」を選択するだけです。

AIが人員配置やコスト面でも最適化を目指した「レシピ」を生成してくれるので、プロジェクト全体的なコストカットに大きく貢献します。

建設テック専門VC、Brick & Mortar Venturesの投資先3:「ILLUMAGEAR」

「ILLUMAGEAR」のホームページより(https://illumagear.com/halo-sl/

三つ目は「ILLUMAGEAR」という会社です。

こちらは今まで紹介していた会社と少し系統が変わり、作業用ヘルメットのライトを販売している会社です。しかし、ただのライトだとBrick & Mortar Venturesも出資しません。

「ILLUMAGEAR」の現場作業員用ライトの特徴は360度照らせ、反射による影響も最小限に抑えた製品になっていることです。最新テクノロジーを使った建設テックの後の登場で少し地味に感じるかもしれませんが、意外と現場作業員にとってうれしい製品ではないでしょうか。

「ILLUMAGEAR」のホームページ上に従来の現場作業員用ヘットライトと「ILLUMAGEAR」の現場作業員用のヘットライトを比較した「現場の明るさイメージ図」があるので見てみてください。マーケティングがうまいです!!

 

→製品ホームページ(https://illumagear.com/halo-sl/

 

以上、米国シリコンバレーの建設テック専門VC、Brick & Mortar Venturesとその投資先についてみてきました。いかがでしたでしょうか。市場規模が大きいこともあり世界的に建設テックへの関心が急速に高まっています。今後Brick & Mortar Venturesのように建設テック専門のVCやファンドがたくさん出現してくるかもしれません。今後の展開に注目です。