高層ビルはどう解体されている?大手ゼネコンの代表的な工法をご紹介!

ゼネコン独自の解体方法とは?

皆さんが都会で見かける高層ビル。その高さに驚いて上を見上げた経験、一度はあるのではないでしょうか?

そんな高層ビルもいつかは役目が終わり取り壊しされる日が来ます。その時高層ビルはどのような方法で解体されるのでしょうか?本記事では高層ビルの解体に関与する大手ゼネコンの工法を詳しく説明しています。

MOVE HAT(西松建設)

建物の周辺に足場を作成するのではなく、解体するフロアに仮設機材である昇降式養生フレームを取りつけることでフロアの解体を行うことが出来ます。最下層で枠組み足場や四角支柱を組み合わせて地組用支保工を作り、この上で防音パネルを設置したり昇降設備等を組込みます。

ビルの最上階まで到達したら、防塵のためのグリーンネットや防音パネルを屋根に設置し、1フロアごとの解体工事が開始されます。工事過程で生じた廃棄物は小型クレーンで地上に送られるため、近隣住民や周囲の建物等への影響は少なくなります。また解体箇所を覆っているため、工事による振動や騒音も軽減されるというメリットがあります。

(参考:https://www.nishimatsu.co.jp/assets/upload/solution/1455701677_095506900.pdf)

竹中ハットダウン工法 (竹中工務店)

建物を四方から覆う昇降式の工場を用いて解体工事を行う工法です。高度経済成長期に都内で建設ラッシュとなった高層ビルや超高層建物の竣工から長い年月が経ち、耐震安全性や設備の老朽化、IT化への対応などから安全に解体できる工法はないか模索した結果、このような環境に配慮した工法が生まれたようです。

この移動式工場内(ハット)では、1フロアごとに解体が行われ、躯体(くたい)を包み込みながら下降していくシステムを採用しています。ハット内のクレーンを用いて解体材を地上に下ろすため周辺地域への飛来を防げることに加えて、ハットが躯体を覆っているため周囲への防音・防塵効果も期待されます。

また南向きの一部防音パネルには太陽光パネルを採用しているため、解体工事を行いながら発電を行うことができる環境に配慮した仕様になっています。

(参考:https://www.takenaka.co.jp/news/2012/02/10/index.html)

解体重機の画像

鹿島カットアンドダウン工法 (鹿島建設)

ジャッキで高層ビル等を下降させ、だるま落としの様に下の階から解体していく工法です。巷では“だるま落とし工法”と呼ばれています。上記の2つが上層部から解体するのに対し、此方は下層部から解体する方式を取っている点が他社と異なるユニークな点となっています。

地上で作業を行うため工事の短期化や環境配慮の観点から評価を受けています。というのも移動式工場内のクレーンを用いた解体材下ろし作業が無い点、そして一定の解体工事が地上で繰り返されることによる効率性が工期を従来よりも短縮できるようになっています。

環境配慮に関しては、ビル外装を保護膜としているため粉塵の飛散や騒音の抑制といった環境負荷を低減することができます。また高所での作業が無いため安全性の観点からも評価されている期待の工法となっています。

(参考:https://www.kajima.co.jp/tech/kaitai/about/index.html)

QBカットオフ工法 (大林組)

この工法は、高層ビル床・梁・柱を圧砕せず切断し、タワークレーンで地上に下ろしたあとに分別処理を行う工法です。一般的な高層ビルの解体の場合、圧砕用重機を建物上部に設置上部から一階層ごとに解体する工法が主流となっています。しかし高層になればなるほど重機の上載や解体材の荷下ろしといった揚重作業問題が懸念され、高層ビル頂部での圧砕は都心になればなるほど騒音や粉塵の問題に発展しやすくなります。

そのため建物上部で圧砕しないこの工法は、騒音や振動、粉塵の飛来を大幅に低減させることができるので、環境に配慮した工法だということができます。(具体的には、騒音エネルギー総量は従来のものに比べて4分の1に抑えることができ、二酸化炭素の排出量は約4割も削減することができます。)

(参考:https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20100831.html)

クレーンの画像

シミズ・リバース・コンストラクション工法(清水建設)

この工法はビル上層部から順番に切断してブロック化し、タワークレーンを用いて解体材を地上に運び分別処理する工法です。施工階に飛散防止シートを設置したスライドユニット足場を設置するため、解体中に排出される粉塵や騒音の漏れを防ぐことができます。またその他仮説設備が不要なため、制約がほとんどない汎用性の高い工法です。それに加えて既存技術の組み合わせにより、効率よく繰り返しの作業を行なうことができるため、現在注目の工法となっています。

(参考:http://www.kensetsu-plaza.com/kiji/post/3845)

テコレップシステム(大成建設)

この工法は、環境に配慮しながら超高層ビル(高度100m以上)を解体する目的で開発されました。1フロア解体するごとに自動で次フロアへ移動する自動昇降システムを採用し、また解体中に排出された解体材は専用のクレーンで地上へ運ぶ方法を取っています。

そのクレーンでの荷下ろし中に発生する材料の自由落下エネルギーを用いて発電も行っており、使えるものをうまく使うといった観点から環境に配慮していると言えるでしょう。また解体に際して屋根を再利用するため、仮設資材の削減も行っています。

(参考:https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2010/100223_3481.html)

 

以上、大手ゼネコンが高層建造物を解体する際に用いる工法のご紹介でした。各企業独自の工法でビルを解体しているので、街で解体現場を見かけたら各工法の比較を行うのも面白いかもしれませんね。