最新のドローン飛行件数は?どのくらいの事故件数があるの?事故理由は何?

建設業界では測量やインフラの保守・点検の分野で活用が進むドローン。加えて農業分野でも農薬の散布を実施するなど、ただの空撮の需要に加えてビジネスの面でもドローンの活用がかなり進んできました

現在、国内ではどの程度の飛行件数があるのでしょうか。また安全性の観点からドローンの事故件数の推移や事故原因などはどのようになっているのでしょうか。国交省が整理している最新のデータをもとに本記事で分析していきます。

※本記事は国交省に報告されているデータをもとに分析をしています。特に記事後述のドローンの事故原因などは国交省に報告されていない小さなトラブルも多く発生していると推察できますので、それらは分析対象外となることをご了承ください。

ドローンの飛行件数・事故件数はどのくらい?

国交省発表のデータをもとに筆者が作成

上図が国交省にて整理しているデータをもとにグラフ化したものです。申請件数は「無人航空機に係る許可承認申請件数の推移」、事故件数は「無人航空機に係る事故トラブル等の一覧」というデータを参照してます。

申請件数ですが、2016年度の13,535件から2019年度の48,369件と3年で約3万5千件ドローン飛行の許可承認申請件数が増えています。かなりのスピードでドローンの活用が進んでいることが分かります。一方、国交省に報告されたドローン飛行による事故件数ですが、申請プロジェクトの増加と共に2018年度まで増加していたドローン飛行の事故件数が、2019年度は減少に転じました。「国交省に報告された」なので、実際の事故件数は定かではありませんが、ドローンの技術発展や、操縦者の熟練具合によって事故件数が減少に転じていると推察することもできます。

ではドローンの飛行はどういった目的で申請されているのでしょうか。

最近ドローンはどういった目的・用途に使用されているの?

 

国交省の「令和元年版交通安全白書」を参考に筆者作成

上図は平成30年度のドローン申請を目的別に整理したものです。やはりドローンといえば空撮で、36%と一番多いです。しかし、建設業界の測量、インフラ点検・保守の分野でも多くの場面でドローンが使われてる現状が明らかとなりました。平成30年度のドローン承認許可申請件数が、36,895件でしたので、測量とインフラ点検・保守でそれぞれ4,400件ほどドローン飛行のプロジェクトが申請されていたことになります。

ドローンに高性能のカメラやセンサーを取り付けることによって、人間や従来の機器では撮影できない領域、分析できない角度でドローンではデータを取得することができます。今後も建設業界でのドローンの活用はますます進みそうです。

また福島原発の撮影でも話題となったように、人間がうまく入れない部分にドローンが入り込めるので事故・災害対応でもすでに多くドローンが活用されています。

ドローンの事故原因は何?

国交省の発表のデータをもとに筆者が作成

上図は国交省の「2019年度無人航空機に係る事故トラブル等の一覧」のデータを参考にドローンの事故原因をグラフ化したものです。事故原因が判明している中で一番多い理由がドローン操縦者の過失や経験不足です。これらの項目を詳細にみていくと、事前の飛行ルートの選定が甘かったり、風が吹いた際に操縦経験不足から焦った対応をしたり、などの記述が目立ちます。ドローンは自律飛行ができるのが取り柄ではありますが、それはしっかりとした管理者や操縦者がいて初めて機能するものです。経験と知識のある者が、事前の飛行ルート(障害物の有無や高度設定)をしっかりとリサーチをすることが大切です。

また電波障害による墜落や行方不明もドローン飛行の主たる事故原因の一つです。ドローンは電波が存在してこそ自律飛行ができます。電波障害でうまく電波が受信できなかったり、山陰に入るなど電波が受信できない環境に入ってしまうと、ドローンは機能不全に陥ります。

建設業界(測量)に関係するドローンの最新事故事例は?

測量に関係するドローン飛行による最新の事故事例を最後に見ていきます。2019年度の報告書には測量に関するドローンプロジェクトの事故事例は2件報告されています。

1件は、山梨県での事例です。建設現場の撮影のためドローンを飛ばしたところ、近くの山が遮蔽物となってしまい、ドローンの通信環境を悪化させたと記述があります。本案件の操縦者は20時間以上ドローンの操縦実績があったらしいのですが、さすがに電波障害には対応できなかった模様です。

もう一件の測量に関するドローンの事故事例は宮城県での事例になります。測量のためドローンで撮影をしていたところ、急な突風にドローンが流され機体が紛失した事例です。機体が紛失とはよっぽどの突風であったことが推察されます。こちらの事例も操縦者にはドローンの操作経験が複数回ありましたが、突風には対応できなかったようです。天候の急変はドローンのメジャーな事故原因ですので、ドローンを飛ばす前には入念な天気予報の確認が必要ですね。

以上、最新のデータをもとにドローンの活用実績、また安全性の観点から事故原因なども見てきました。ドローンの活用は今後ますます進んでいくと予想されていますが、事故の可能性もありますので、安全運航が大切です。特に現状、操縦者のスキル不足や過失による事故が多く事故原因と上がっていますので、入念なトレーニング・確認・検収が必要となってくることでしょう。