中小の建設事業者の資金調達先の現状と今後の展望

建設事業者の資金調達について分析していきます。建設事業者の資金調達先にはどのような特徴があるのか、またその中でも大企業と中小企業で違いがあるのか。今回は2020年10月に政府が公表した最新の「建設業構造実態調査」のデータをもとに分析していきたいと思います。

中小の建設業事業者はどこから・どのように資金調達をしているのか?

政府の「2019年度建設業構造実態調査」のデータもとに作成

最新の建設業実態調査の結果を上図にまとめました。上図は2019年度の一般土木建築工事事業者の数値です。中小(資本金500万円~3000万円未満)の建設業者がどこから資金調達をしているのかが分かります。

グラフを見た通り、中小の建設事業者の資金調達は地方銀行と信金・信組に大きく依存していいることが判明しました。特に資本金3000万円未満クラスの三つの円グラフはどれも地銀の割合が50%近くを占めているのが分かります。資本金が500万円以下の比較的小規模な建設会社に限れば、地銀と信金・信組からの資金調達が85%以上を占めている現状です。また少し大きい規模で資本金が1000万円~3000万クラスに限定すると、地銀からの資金調達が単体で60%を有しています。

 

政府の「2019年度建設業構造実態調査」のデータもとに作成

上図のように中小の建設事業者の中でも資本金が5000万円を超えたぐらいから資金調達先が少しずつ変わってきます。都市銀行からの資金調達は先ほど見た小規模建設事業者ではあまりなかったですが、中規模クラスからは少しずつ都市銀行からの資金調達も増えてきています。

また信金や信組のからの調達割合を少し落とし、地銀への依存をさらに増やしているのも特徴です
グラフにはないですが、同じ調査で大規模建設事業者(資本金10億円以上)は50%近くの資金調達先が都市銀行で、地銀への依存度は低い現状になっています。一方、中小の建設事業者の多くはグラフで見てきた通り、地銀・信金・信組からの資金調達を頼りにしているのが分かります。

中小建設事業者の今後の資金調達の課題は?

現状、多くの中小の建設事業者が地方銀行・信用金庫・信用組合から資金調達をしている数値が出ていました。では今後、中小建設事業者の資金調達はどうなっていくでしょうか。

1つのリスクとして昨今の地銀再編の波があります。デジタル化の推進や金融の多角化によって従来の銀行中心の金融システムが少しずつ崩れており、地銀は真っ先にその影響を受けるといわれています。

預金保険機構(https://www.dic.go.jp/kikotoha/page_000814.html)の情報もとに作成

実際に地銀の数も徐々に減ってきています2000年から2019年で地方銀行は19行も数を減らしました。資金繰りが厳しくなってきて数多くの地方銀行が合併を行ったり、名前を残しながらホールディングスを形成しているのです。

この地銀再編の波は止まることなく加速すると見られています。実際に経済誌などでは、つぶれる地銀ランキングや危ない地銀ランキングなどの記事が多く執筆されています。また学生の就職人気度ランキングなどでも以前ほどの人気はなくなってきているのが現状です。

預金保険機構(https://www.dic.go.jp/kikotoha/page_000814.html)の情報もとに作成

この再編の波は地銀だけではありません。信用金庫や信用組合も近年、減少傾向です信用金庫は292(2005年)から255(2019年)に、信用組合は172から145(同時期)まで数を減らしています

地銀と同じく信用金庫や信用組合もこの減少が加速することが見込まれています。

中小の建設事業者は資金調達先として頼りにしている地銀や信金・信組の厳しい状況を受けて今後どのように動かなければいけないでしょうか。

中小の建設事業者は今後資金調達先の多様化がポイント

地銀や信金の再生の波の中、中小の建設事業者が考えなければならないことは資金調達先の多様化です。もちろん、地銀や信金が数を減らしても、ここからの資金は建設業界においてこれからも重要な資金源となるでしょう。

しかし、合併や資金繰りの厳しさから、今までスムーズに通っていた融資が下りなくなることも考えなくてはなりません。すべて融資がなくなることはないと思いますが、融資額が少なくなったり、審査が下りない案件が出てくることは容易に想像できます。

そんな時に中小の建設事業者は地銀や信金だけでなく他の資金調達先にも目を向けておくとリスクヘッジにつながります。工事が喫緊であるのに、いつもの銀行が合併し融資が下りなくて資金繰りが厳しいということにならないよう対策を講じておくことが必要です。

中小の建設業者の資金調達先は銀行や信金以外はどこがいい?

では中小の建設業者は資金調達先として地銀や信金・信組以外のどういったところを考えればいいのでしょうか。

真っ先に思い浮かぶのがファクタリングやビジネスローンなどのサービスでしょうか。こうしたサービスを提供している会社は多くあり、緊急で事業資金が必要な方などが多く利用していることがうかがえます。メリットとしては審査のスピードと銀行の審査などに比べるとOKが出やすい点でしょうか。緊急で資金調達をしたい場合はとてもいいサービスかもしれません。

ただデメリットももちろんあります。まず一般的に金利や手数料などが銀行の融資と比べて高いといわれています。加えてこうしたファクタリングやビジネスローンを提供している会社は全業種横断的カバーしていますので、必ずしも建設事業者に適しているとは限りません。

中小の建設事業者は建設業に特化した資金調達も検討すべき

LDBの建設業特化立替決済サービス

資金調達先の多様化を考えており、ファクタリングや一般的なビジネスローンを使うのが怖い方は建設業に特化した立替決済サービスを利用するのも一つの手段です。

この建設業特化の立替決済サービスは、株式会社ランドデータバンク(LDB)が2020年に始めたサービスです。LDBはSMBCグループやコマツ、官民ファンドのINCJの資本が入って立ち上がった会社で、建設業界の資金繰りを改善する本気度がうかがえます。

LDBの立替決済サービスは「工事資金」を立て替えるサービスです。建設会社(施工請負会社)が必要な工事資金を立替え、その工事の協力会社や資材を提供する会社にLDBが代わりお金を支払うサービスです。

建設業特化で展開しているサービスのこともあり、手数料1%で立替期間も最大10か月と建設事業者がとても使いサービスとなっています。

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中小の建設事業者は今、資金調達の多様化を考えるとき!

以上、建設事業者の資金調達の現状、今後予想される課題とリスクヘッジ方法をご紹介しました。金融再編の波があり、今後建設業界の資金繰りやニーズも変わってくることと思います。建設業に特化した保険やリースなどのサービスもどんどんと出てくることでしょう。こうしたサービスにアンテナを張っていることが、建設業界で成長していくカギと今後なっていくはずです。