2020年代注目!建設行政デジタル化・建設行政DXの検討状況

2020年9月16日に就任した菅総理の注目政策の一つ「デジタル庁」の設立。本政策から行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく菅内閣の強い決意がうかがえます。就任からすぐにデジタル庁創設の準備室が誕生するなど今までにないスピード感です。

建設業界では行政手続きの複雑さ・提出書類の多さが以前から問題となっています。業界の高齢化や労働環境等による建設業就労者の減少問題もあり、業務効率化は緊急の課題です。建設行政DXの推進で建設業の業務効率化・手続きのデジタル化は進むのでしょうか

現在、2020年代に建設業へ大きく影響を与える行政手続きのデジタル化が国土交通省などを中心に複数検討されています。現在の検討情報を本記事でまとめて紹介していきたいと思います。

建設業界の行政手続きデジタル化① 建設業許可・経営事項審査の電子申請

国土交通省は2022年度から建設業許可・経営事項審査の電子申請を可能とするシステムの本格運用を開始すると発表しています。2020年12月から本格的にシステムの開発に着手しているようです。実際、同年12月1日には「建設業許可・経営事項審査等の申請手続の電子化に向けた実務者会議」が国交省主催で開かれており、システムの要件定義や連携先などが議論されています。今後本格的に開発やシステム連携が加速していくことでしょう。(予算面でも開発費として令和2年の予算に約5300万円、さらに令和2年の補正予算にも約1億円が計上されています。)

本システム開発ではシステムの利便性向上のために、他省庁とのバックヤードでの連携(具体的には国税庁の納税証明書や法務省管轄の登記簿謄本)を実施することも濃厚です。加えて、Gビズ(法人が一つのID/パスワードで様々な行政サービスにアクセスできる仕組み)の導入も検討されています。[出典:内閣府規制改革推進室「公共工事入札の申請書類の簡素化の 検討状況・今後の方針について」など]

建設業許可・経営事項審査の電子申請のデジタル化は2017年に国が10年後を見据え提言した「建設産業政策2017+10」の中の一つのプロジェクトです。今後国交省主導で力強く推し進められると見られています。

建設業界の行政手続きデジタル化② 道路使用許可のメール申請化

続いては道路の使用許可申請のデジタル化です。2020年11月13日、河野行政改革担当大臣と小此木国家公安対策委員長が記者会見にて、道路使用許可など警察が担当している行政手続きの一部をメールで申請できるようにすると発表しました。本政策はスピード感を持って実施されるようで2021年の早いうちから早速開始するとしています。

道路使用許可のメール申請は建設業界の方々にとってとてもうれしいシステムではないでしょうか。工事の際、警察にアナログで届け出なくてはならなかったものがメールでの申請できちゃいます。以前から道路使用許可の相談などはメールでできましたが、最終的な許可申請はアナログな手法で、建設会社の大きな事務作業負担となっていました。本政策でかなりの業務効率化につながりそうです。

建設業界の行政手続きデジタル化③ ドローンの登録手続き

3つ目は測量での使用が増えてきた、ドローンの登録手続きに関するデジタル化です。現状国交省が管理するドローンの登録手続きは存在しませんが、2020年の通常国会で可決された航空法改正に基づき、ドローン所有者の登録制度が、2021年から2022年にかけて導入される予定です。

国土交通省はこの法改正を受けて、オンラインでドローン所有者登録申請ができるシステムを2021年度中に構築するとしています。また申請の際に発生する手数料の納付なども同時にデジタル化することにより行政の業務効率化・登録申請者の利便性向上を同時に図るようです。[出典:国土交通省「国土交通省デジタル・ガバメント中長期計画]

ドローンは測量を代表的な活用事例として、建設業界で今後多くの場面で利用されることが予想されます。ドローンを所有する建設事業者も今後増えていくでしょう。ドローン所有者のオンライン申請の実現は建設業界の業務効率化に大きく貢献しそうです。

 

最新のドローン使用用途や事故事例はこちらから

 

建設業界の行政手続きデジタル化④ 建設キャリアアップシステムの郵送申請廃止

4つ目はCCUS建設キャリアアップシステムの郵送申請廃止についてです。今までCCUS建設キャリアアップシステムへの登録申請は郵送とオンラインどちらでも受け付けていましたが、2020年10月より郵送での申請を廃止し、全面デジタル化を実現しています。

CCUSの建設キャリアアップシステムは登録者数が右肩上がりに増えており、郵送での申請を廃止し、全面デジタル化することによって処理業務の効率化を進める方針です。

またCCUSのキャリアアップシステムは職人キャリアのデジタル管理化という側面からも面白い取り組みです。国土交通省は本システムへの全建設技能者(約330万人)の登録を2023年度末までに目指すとしています。

登録者数増に向けて関係各所と連携を進めており、建設技能者キャリアのデジタル化(見える化)プロジェクトが今後スピードを増して進んでいくか注目されます。

 

CCUSキャリアアップシステムの登録社数推移やAPI連携の状況についてはこちらから

 

以上、2020年代前半に注目すべき建設業界の行政デジタル化(建設行政DX)について見てきました。デジタル庁の創設も控えており、今後行政手続きのデジタル化が各方面で加速すると思われます。常にキャッチアップすることで業務効率化を進められそうです。