木材価格が高いのはなぜ?ウッドショックを分かりやすく解説!

「なぜこんなに木材価格が高いんだ…」ここ1年でそう思うようになった方々は沢山いるでしょう。特に木材を取り扱う建設業の方々であれば尚更感じている問題だと思います。ここ1年間で木材の価格は急騰しています。これはウッドショックと呼ばれ、コロナウイルス蔓延に伴う各国の政府の施策や巣ごもりによる世界的な超過需要が起こっていることが原因です。本記事では、この世界的な木材価格高騰現象であるウッドショックが起きた背景やそれによる日本への影響などを分かりやすく説明しています。

ウッドショックとは?

ウッドショックとは、現在起こっている木材価格の高騰のことを指します。

1970年代に起こった石油価格の高騰、通称オイルショックになぞらえて、このように呼ばれています。石油危機とも呼ばれたので、ウッドショックは木材危機と言えるかもしれません。

なぜウッドショックは起きたのか? ーアメリカの低金利政策と住宅建築需要

新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し始めた2020年、アメリカの住宅建設は一時期落ち込んでいました。しかし、アメリカ政府が低金利政策を打ち出し、住宅購入する人々が増加したことや海外投資家マネーがアメリカ国内に流入したことを契機に、アメリカの住宅建築需要が増加したため木材需要が急激に増加しました。またコロナ禍で「おうち時間」が増えたことでDIY需要が高まったことも、木材需要増加に影響を及ぼしています。

そして、この急激な需要の増加に供給が追いつかず木材価格が上昇したというのがウッドショックと言われる所以です。

下のグラフはアメリカの木材価格の推移を示したグラフです。2020年7月から上昇し始め、翌月8月には、なんと393米ドル、日本円にして43250円(1$=110円で計算, 以下も同様)の高値をつけています。また2021年4月には最高値である$635、日本円にして69,800円を記録しており、2021年9月現在でも$250(27,500円)を上回る水準で価格が推移しており、依然として価格が高止まりしている状況です。

(出典元データ:Statista, データを元に筆者作成)

ウッドショックの日本への影響

林野庁によると、日本の木材自給率は約40%であり、残りの60%程は輸入に頼っているとされています。また、以下のグラフは日本の木材輸入国を示しています。

(森林・林業学習館のデータから筆者作成)

上位から順に、カナダ, ロシア, スウェーデン, フィンランド, チリとなっており、その中でも、カナダからの輸入割合が全体の約4分の1に占めていることが分かります。他国との貿易関係はありますが、カナダからの輸入が減少したり途切れたりすると日本の木材需要に供給が追いつかなくなる可能性が読み取れます。

カナダで木材に関する雑誌を出版するCanadian Forest Industriesによると、米国における木材価格の高騰により、カナダは海外への材木輸出を減少させたと記載されています。また、カナダ政府(2021/6)によると、カナダ国内の住宅建設市場も好調であると発表されています。これらのことから、カナダの材木価格はアメリカの材木価格上昇に影響を受け、輸出をするより国内消費を優先させたと推測できます。そうすると、必然的に日本への材木輸出も減少するため、日本の木材調達に響くとも考えられます。

また農林水産省のデータによると、国内製材の価格は2021年9月現在で前年比60%増になっています。代替可能なその需要の一部について、高騰している輸入材から相対的に安価な国産材へと調達をシフトさせたと考えられています。

ウッドショックに終わりは見えるのか?

先述の通り、米国の低金利政策による住宅建築需要の増加だけでなく、巣ごもりによるDIY需要も、木材需要増加を後押ししています。今後、新型コロナウイルス感染症が落ち着き、金利が上昇すれば住宅需要も感染症蔓延前の水準まで戻ってくるのではないかと考えられます。

しかし米国で最も訪問されている不動産サイトであるZillowによると、都市部だけでなく郊外への建築需要も増加しているそうです。これは都市部で勤務していた人々の業務形態が出社からテレワークに切り替わったことで、賃料の高い都市部ではなく郊外に家を構えるようになったことが要因であるとされています。今後もそういった風潮が続く場合は、住宅需要が落ち着くとは言い難いでしょう。

それに加えて、世界的なコンテナ不足が現在も続いているため、輸入木材の価格は年内まで高値を維持するとも言われています。そのため、今後の木材需要・供給の動向を注視する必要がありそうです。

終わりに

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